ランボルギーニ 350GT クーペ 1965
ランボルギーニ 350GT クーペ 1965 ( Lamborghini 350 GT Coupe 1965 )
1970年代の「スーパーカー」のブームで一世を風靡した、イタリアを代表する自動車メーカー、「ランボルギーニ」のスタートを飾ったモデル、ランボルギーニ 350GTです。
ランボルギーニ 350GT は、1964年5月から生産されたグランツーリスモであり、量産市販車としてランボルギーニが初めて生産した乗用車です。
350GTの試作車は、350GTVと言う名前で、ランボルギーニの記念すべき第1号車として、1963年10月に開催されたトリノショーに出品されました。
350GTVの開発に当たり、ランボルギーニ創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニは、フェラーリに対抗するためエンジンをV12とすることに固執し、エンジン設計を元フェラーリのエンジニア、ジオット・ビッザリーニに依頼。
また、ボディは、1950年代に、イタリアのカロッツェリア(乗用車のデザイン・製造を行う業者)、ベルトーネに在籍し、多数のデザインを手がけた、フランコ・スカリオーネにデザインが任されました。
(なお、フランコ・スカリオーネの代表作には、名車、アルファロメオ ティーポ 33/2 などがあり、空力を意識した奇抜で大胆な造形をを特徴としてます。)
こうして、生み出された試作車の350GTVですが、フェルッチオ・ランボルギーニは、フロント回りのデザインを気に入らず、発表のあった1963年10月のトリノショーでは、ショーが終わらぬうちにクルマは会場から姿を消してしまいます。そして、すぐさま、気に入らなかったボディデザインの修正を、より格上のカロッツェリアであった、アルファロメオ、マセラティ、ランチア、そしてフェラーリなどのボディを手がけたトリノの名門、ツーリングに依頼しました。
ツーリングは、350GTVの基本的なフォルムを生かしながら、フロントフードのモールを撤去するとともに、エンブレムを中央に移動。ヘッドライトをリトラクタブル式から楕円形の露出式へと変え、三角窓を廃するとともにリアクォーター・ウィンドウを拡大するなどのモディファイを実施しました。
こうして完成した改良モデルは、フェルッチオ・ランボルギーニにとっても満足のいくものだったようで、350GTと名づけて市販に移すことを決定します。
1964年3月のジュネーブショーで発表されたのち、2ヶ月後には生産が開始されたのです。
その後、ミウラ、カウンタックと続く、ランボルギーニのスーパーカーの元祖となるモデル。
そのフォルムは美しく洗練されている一方で、どこか、スーパーカー然と進化していく前の予兆的な個性を感じさせます。
エンジンは、3464cc、水冷60度V12。270ps。
5速のマニュアルトランスミッションです。
[出典]RM AUCTIONS